IPO支援室 坂口 勝啓

INTERVIEW 01

目指すべきIPOのあり方について

IPO支援室 坂口 勝啓

IPO支援室 坂口 勝啓

2003年10月にあずさ監査法人に入社。IPO事業部に所属し、2018年7月末まで在籍。監査業務を行いながら営業業務を行い、現場管理者として上場した会社:4社主査(シニア)として上場した会社:3社現場スタッフとして上場した会社:2社 その後、IPOコンサルティング会社を経て、2021年3月にシンシア監査法人に入社。

interviewer:シンシア監査法人広報担当

-昨今、監査法人のIPO離れが加速している状況にありますが、いかがお考えでしょうか。

坂口:持論として『監査法人は黒子であるべき』という考えがあります。
あくまでも主役は事業会社です。事業会社が上場したいとお考えのところ、本来黒子であるべき監査法人の思惑により上場準備ができないという状況になっているという、バランスを欠くような状況にあると思います。
私も立場上、おかしいと思っているだけでなく、心苦しいな、というのが正直なところです。

-そもそも事業会社にとって、そんなにIPOは大事であり、良いものなのでしょうか。

坂口:上場した翌日から人の雰囲気が変わるように見えたのです。
うまく言葉にできないのですが、自信がみなぎるような…。
我々が日頃接している経理でIPOに深くかかわっている人だけではないのです。
会社の人の多くの人が一気に変わるのです。いい瞬間に立ち会えたなと思います。会社の人から言われた事で印象的だったのは、『正直、私はそこまでIPOしたいって思っていたわけではないんです』と。
ただ、上場したことを親に伝えたときに、親がすごく喜んでくれて、その姿を見たときに、『IPO出来て本当によかったんだな』って、思えたのですと。

-事業会社にとってはIPOしてもメリットばかりではなく、制約が増えるという理由から二の足を踏まれている会社さんも多いと思いますが、坂口さんから見てその辺りはいかがでしょうか。

坂口:確かに、制約は増えるかもしれません。その制約は、その時は確かにただ煩わしいだけかもしれないです。
ただ、その制約が会社の5年~10年先を見た時に、強く活きて本当に組織も人も成長するという感覚が得られると思います。ぜひ、長い目でみて取り組んで欲しいと思います。
そこで、我々も、『ちゃんとやってくださいね』という立場をとるのではなくて、一緒になって体制づくりを考えていきたいと思います。

既に上場している会社の監査の仕事だと、単なるジャッチメントになりますが、このように一緒になって体制づくりを考えられたりするところが、自分は楽しいというか充実感を得られるというか…。 ま、こういうのが性に合っているのでしょうね。

-坂口さんはとてもIPOに向いていると思いますが、IPOの監査人として兼ね備えておくべき条件とか姿勢というのは何かありますでしょうか。

坂口:兎にも角にも会社をサポートする気持ちが強いかどうかですね。それに尽きます。

-IPO“出来た会社”と“出来なかった会社”と双方見てきていると思いますが、“出来なかった会社”の傾向はありますかね。

坂口:ありますね。それは社長の姿勢・信念ですね。 社長が『上場しないより、上場したいね。』というような感じで、管理部に丸投げしているような状況。 このような会社を何社も見てきましたけど、やはりIPOは厳しかったです。社長によっては、は営業案件のプロジェクトだと前のめりで取り組まれるのに対し、IPOとなると、管理系の従業員に任せちゃう方がおられます。 営業案件のプロジェクトと同様に入り込んでやっていただかないと、直接的には証券会社対応等で指摘を受けますし、間接的には管理部もやりきれない状況を作りますよね。

-最後に、シンシア監査法人の方と坂口さんはほとんど面識がなかったわけですが、入社されて数ヵ月。今のところの印象を伺ってもよろしいでしょうか。

坂口:これ皆さんには失礼な話なのですが、中小の監査法人って勝手に品質管理は大丈夫かな?と思っていたのですけど、全然違う。プロ意識の高さを感じました。 監査のプロフェッショナルだなと。あとは年齢層が高いからか、大人の集まりですよね。いい距離感だと思います。代表からフラットなので、本当にフラットな関係が築けますね。

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